小児矯正とは

小児矯正とは
成長が盛んな子どもの時期に行う矯正治療
矯正治療には大きく分けて成人矯正と小児矯正があります。
成人矯正は成長期を過ぎた人におこなう矯正治療のことで、小児矯正は乳歯から永久歯が生え揃うまでの期間、そして永久歯が生え揃ってすぐのタイミングでおこなうものをいいます。
成長が盛んな子どもの時期に矯正治療を開始することで、あごの骨の成長をコントロールしながら生えてくる永久歯を正しい位置に誘導していくことができるので、より美しい骨格と歯並びにしていくことができます。
また、歯並びの悪さは指しゃぶりや舌の癖、ほおづえ、口呼吸などの癖が原因になっていることも多いのですが、そのような癖を小児矯正で早期に改善し、歯並びが悪くならないようにすることも可能です。
このように、小児矯正では成人矯正では得られない多くのメリットがあるので、子どもの時期に歯並びに問題が見られる場合には、早めの治療をおすすめしています。

もし当てはまるものがあれば要注意!

もしお子さまが次の項目に当てはまる場合、早めに矯正治療を始めたほうがいい可能性があります。放置すると歯並びの悪化やお顔のゆがみを招く恐れがあるので、一度早めに診断を受けることをおすすめします。
お子さまのお口チェックしてみましょう!
  1. 受け口になっている
  2. 指しゃぶりをしている
  3. 舌を出したり唇を噛んだりする癖がある
  4. 頬づえをついている
  5. 口をぽかんと開けていることが多い
  6. 乳歯の歯と歯の間にすき間がない

小児矯正の種類

小児矯正は、治療開始時期により2つのステージに分けられます。
第1期治療
永久歯が生え揃うまでの矯正治療で、6歳以降に開始することが多いですが、骨格的な異常がみられる場合には早めに成長を抑制する目的で3歳くらいから治療を開始することもあります。
第1期治療
第1期治療

第1期治療の目的

第1期治療の目的は、あごの骨の健全な成長を促し、永久歯の健全なかみ合わせと歯並びを作っていくことです。
この時期に矯正治療をおこなっておくことで骨格の不均等やゆがみ、歯が生えるスペースが足りない、といった問題を解決することができます。

第1期治療の治療内容

・お子さまに合った装置で歯並びを広げ、永久歯が生え揃うスペースを作っていきます。
・あごの骨の成長や歯並びを悪くする癖がある場合にはそれを改善し、口周囲の筋肉を正しく使えるように練習していきます。
第2期治療
永久歯をきれいに並べていく治療で、永久歯にすべて生え替わってからおこないますので、12歳くらいからの開始となります。
第2期治療
第2期治療

第2期治療の目的

第2期治療の目的は、歯の1本1本の並びをきれいに整えていくことです。第1期治療では歯並びを広げて歯の位置を大体整えることはできますが、歯の向きや長さなどの細かい調整はできないので、第2期治療で緊密に整えていきます。

第2期治療の治療内容

歯にブラケットとワイヤーを固定する「ワイヤー矯正」、もしくは透明なマウスピースによる「マウスピース矯正」のいずれかで治療を行います。
治療内容は成人矯正と同様のものとなります。

第1期治療、第2期治療、どっちも必要?

第1期治療をおこなった結果、とくに歯の並び方に問題がなく、第2期治療が必要ないと判断されることもあります。逆に、小学生の時期にあごの状態や癖などの問題がないため第1期治療を必要とせず、第2期治療から治療を開始することもあります。
ですが、多くのケースでは第1期治療と第2期治療を必要とします。
実際、歯並びの問題は骨格的な問題や歯の生えるスペースが足りないといった問題から起こっています。そのため、多くの場合で第1期治療からの治療が必要となります。そして、第1期治療の後にはその7割ほどが第2期治療へと移行していきます。
第1期治療後に第2期治療が必要になる理由は、第1期治療だけでは歯の位置を細かく調整することができないためです。そのため、歯のねじれや傾斜、歯の長さの不均等などがある場合には第2期治療で微調整が必要になります。