よくある不正咬合

よくある不正咬合

よくある不正咬合
歯並びが悪いと、どんなことが起こる?
歯並びが悪いことのデメリットで大きなものとして、見た目が悪くなる、ということがあります。でも、歯並びの悪さは見た目だけではなく、お口の健康や体の健康にまで影響してきます。

歯並びが悪いとこんなリスクがあります

歯並びや噛み合わせが悪い状態を「不正咬合」といいますが、不正咬合を放置することによって将来的に健康面で次のような悪影響が現れることがあります。

  1. 将来的に虫歯や歯周病で歯を失う可能性が高くなる
  2. 顎関節症を起こしやすくなる
  3. 口臭がひどくなりやすい
  4. 噛み合わせの悪さやよく噛めないことから起こる体の不調
  5. 見た目のコンプレックスや体の不調からくる精神的な影響
次へ
矯正治療をして、歯並びや噛み合わせを整えることで、このようなリスクを避けられる可能性があります。

不正咬合の種類

不正咬合は大まかに、いくつかの種類に分けることができます。一つの不正咬合だけに当てはまらず、2〜3種類の不正咬合を併発していることもあります。

出っ歯(上顎前突:じょうがくぜんとつ)

出っ歯

上の前歯が前方に突出している歯並び
唇がうまく閉じられなかったり、無理に唇を閉じるとあごの先端に梅干しシワができたります。

治療しないデメリット
虫歯や歯周病になりやすい
唇がうまく閉じられず、口内が乾いて唾液の作用が行き届きにくくなるので、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。
歯をぶつけやすい
前歯が出ているので、前歯をぶつけたり、折ったりするリスクが高くなります。
口臭や歯の着色が起こりやすい
お口が乾いて細菌が繁殖しやすくなり、口臭が強くなりがちです。また、前歯に着色が起こりやすくなります。
精神面での影響
見た目にコンプレックスを抱えることにより精神面で影響が出ることがあります。

ガタガタに重なった歯並び(叢生:そうせい)

ガタガタに重なった歯並び

歯の生えるスペースが足りずに歯が重なっている
日本人には最も多いタイプの不正咬合で、八重歯もこれに該当します。

治療しないデメリット
虫歯や歯周病になりやすい
歯が重なっている部分に磨き残しが出やすいため、虫歯や歯周病が起こりやすくなります。
口臭や歯の着色が起こりやすい
磨き残し部分が口臭の原因になりやすくなります。
また、歯ブラシの毛先が当たりにくい部分には、着色が起こりやすくなります。
口の中を傷つけやすく、口内炎ができやすい
例えば、八重歯のように外側に出ている歯があると、歯の先端が粘膜を傷つけやすく、口内炎ができやすくなります。

受け口(下顎前突:かがくぜんとつ)

受け口

下の前歯、下顎が前に出ている歯並び
噛み合わせが反対であることから「反対咬合」とも呼ばれている噛み合わせです。
顎の位置には問題がなく、歯の位置だけが反対になっている「歯性タイプ」、下顎自体が骨格的に成長しすぎて前に大きく出ている「骨格性タイプ」の2通りがあります。

治療しないデメリット
発音・滑舌が悪くなりやすい
特に、サ行やタ行が発音しにくくなることが多く、他人とのコミュニケーションや語学習得に支障が出ることがあります。
成長期の場合、下顎がどんどん成長してしまう
成長期に受け口を放置していると、下顎が成長に伴ってどんどん発達し、普通の矯正治療では治せず、外科治療を伴った矯正治療が必要になることがあります。
物が噛みにくく、胃腸に負担がかかりやすい
奥歯の一部しか噛み合わないので、しっかりと噛めずに胃腸に負担がかかりやすくなります。
精神面での影響
見た目にコンプレックスを抱えることにより精神面で影響が出ることがあります。
歯を早く失いやすい
特定の歯(奥歯)に強い力、異常な力がかかり続けるため、ダメージにより歯を早く失うリスクが高くなります。

前歯が噛み合わない(開咬:かいこう)

前歯が噛み合わない

前歯が噛み合わずぽっかりと隙間があいている歯並び
噛み合わせた際に前歯に隙間があり、ポカンと隙間があいていて、歯の間から舌が見えます。

治療しないデメリット
物が噛み切りにくい
前歯に隙間があるので、食べ物を噛み切ることができません。
喋り方が舌っ足らずになりやすい
特定の発音がしにくくなり、舌っ足らずな印象を与えます。
虫歯や歯周病になりやすい
口があいたままになるため、お口の中が乾き、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。
歯を早く失いやすい
奥歯に過度な力がかかり続けるため、ダメージにより歯を早く失うリスクが高くなります。
顎関節症を起こしやすい
この噛み合わせは顎関節に負担をかけやすいため、顎関節症を起こしやすくなります。

すきっ歯(空隙歯列:くうげきしれつ)

すきっ歯

歯と歯の間にすき間が空いている
歯と歯の間にすき間のある歯並びです。

治療しないデメリット
精神面での影響
日本ではすきっ歯を気にする方が多く、精神面で影響が出ることがあります。
虫歯や歯周病になりやすい
すき間に食べかすが詰まりやすく、放置すると虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
発音の際、空気が抜けることがある
歯のすき間から空気が漏れやすいので、発音に影響することがあります。

深い噛み合わせ(過蓋咬合:かがいこうごう)

深い噛み合わせ

上下の噛み合わせが深すぎる噛み合わせ
上下の噛み合わせが深すぎて、下の歯がほとんど、もしくは全く見えない噛み合わせです。

治療しないデメリット
奥歯が過剰にすり減りやすい
噛み込みが深すぎて奥歯へ大きな力がかかり、奥歯がすり減りやすい傾向があります。
将来的に出っ歯になることがある
下の前歯が上の前歯に食い込むように位置しているため、だんだんと上の前歯が前方に押されて出っ歯になってしまうことがあります。
上の裏側の歯茎を噛みやすい
下の前歯が上の歯茎に強く当たって、歯茎に炎症を起こすことがあります。
顎関節症を起こしやすい
噛み合わせが深いと、下顎の動きが制限されてしまうため、顎関節に負担がかかり、顎関節症のリスクが高まります。

横にずれている噛み合わせ(交叉咬合:こうさこうごう)

横にずれている噛み合わせ

歯並びが途中で交叉(クロス)している歯並び
ところどころ逆のかみ合わせになっている状態を交叉咬合、もしくはクロスバイトといいます。

治療しないデメリット
成長期の場合、顎の形に異常が起こりやすい
成長期の段階で歯並びが交叉している状態を放置すると、顎の成長に異常が起こり、顔が歪んでしまうことがあります。
顎関節症のリスクが高い
下顎の動きが制限されてしまうので、顎関節に負担がかかり、顎関節症になりやすくなります。
顔が歪むとコンプレックスになってしまうことがある
顔が歪んでしまうと、将来的に見た目にコンプレックスを感じやすくなり、精神面での影響が出ることがあります。