高齢者になっても自分の力で噛める全身を考えた予防
お口の機能低下を予防し、
いくつになっても健やかな毎日を
当院では、虫歯や歯周病を防ぐ、通常の予防歯科に力を入れるのはもちろんのこと、加齢に伴う口腔機能の低下を防ぐための指導やアドバイスも積極的に行なっています。
歳をとると、ものが見えにくい、音が聞こえづらい、足腰が弱る、といった老化現象が起こってきますが、お口の機能も、年齢とともに同様に衰えていく傾向があります。
ですが、このようなお口の機能低下は、予防的に取り組むことによって防いだり、遅らせたりすることが可能です。これを意識して行うか、そうでないかで、全身の若々しさ、健康状態にも大きな差が出てきます。
口腔機能低下症とは
口腔機能低下症とは、主に加齢によるお口の筋力低下によって起こってくる症状です。具体的には、「喋りにくい」、「噛みにくい」「飲み込みにくい」、「むせやすい」、といったような症状です。
老化による機能低下は、誰にでも起こりうることですが、意識して取り組むことで機能を維持し、悪化させないことが可能です。
お口の機能低下が起こると、どんな症状が出る?
口腔機能には、「噛む」「発音する」「唾液を出す」「感覚を感じる」「飲み込む」といった機能がありますが、このような機能が低下することにより、次のような症状が起こってきます。
- ■食べこぼしてしまう
- ■汁物や飲み物でむせやすい
- ■硬いものが噛みにくい
- ■食べ物が口に残りやすい
- ■滑舌が悪い、ろれつが回らない
- ■飲みこみにくい
- ■口の中が乾いている
お口の機能低下を放置していると、生きていくために必要な「食べる」ということが難しくなり、それが体の虚弱にもつながっていきます。そして、それが進行すると最終的には要介護状態へと近づいていきます。また、誤嚥も起こりやすくなるため、肺炎のリスクが高まり、寿命を縮めてしまうことにもなります。
そのため、お口の機能低下を予防することは、健康な人生を送っていくためにもとても重要なことだと言えます。
お口の機能低下への対策・予防法
当院では、お口の機能低下への対策、予防として、次のようなことを行なっています。また、お口の機能低下の兆候がみられる方でも、機能回復訓練、機能を低下させない訓練を行うことにより、状態の改善、悪化の防止が期待できます。
正しいセルフケアのアドバイス
歯が悪くなると、しっかりとものが噛めなくなる原因となります。それを防ぐための第一の基本は、ご家庭で正しいケアを行うことです。患者様お一人おひとりのお口の状態に合わせた、効果的な口腔ケアのアドバイスを行います。
しっかりと噛める口腔内環境作り
歯を失った部分を放置していたり、悪くなった歯を放置していたりすると、お口の機能は衰えてしまいますので、悪い部分は治してきちんと噛める状態を作っていきます。
定期的なクリーニング
セルフケアでは取りきれない汚れは、定期的にクリーニングですみずみまできれいにし、口腔内トラブルや、肺炎への細菌感染を起こりにくくしていきます。
口腔周囲筋の訓練
噛む力をつける、飲み込む力をつける、お口全体を大きく動かす、舌の力や頬の力を鍛えるといった訓練を行います。
筋肉を意識して使うことで、噛む力や飲み込む力がつくだけでなく、滑舌も良くなり、顔のたるみも解消され、生き生きとした表情にもなっていきます。
唾液減少への対策
唾液腺は加齢とともに萎縮し、唾液の分泌が衰えてしまいます。唾液腺のマッサージを行うことで唾液の分泌を促し、必要に応じて人工唾液など、保湿剤の使用もご提案いたします。
全身疾患に対する管理にも力を入れています
お口と全身の状態は密接に関連しています。
お口の環境悪化は糖尿病や心疾患や脳血管障害、肺炎など様々な全身疾患の原因となることがわかっており、そういった意味でも、お口の環境を整えておくことは、とても大事なことです。
全身疾患をお持ちの方でも、歯科治療を受けて口腔内環境を整えることで、それが全身疾患の状態の改善につながる可能性があります。そのため、当院では、全身疾患に対する管理にも力を入れ、全身疾患をお持ちの方も安心して治療を受けていただける環境を整えていきたいと考えております。
当院の願いは、患者様がいくつになっても、よく食べてよく喋れること、そして健康なお口を保ち続けることで、健やかな人生を送っていただきたい、ということです。
これからも、みなさまが前向きにお口の健康改善に取り組んでいけるよう、精一杯サポートしてまいりますので、ぜひ、お気軽にご相談ください。