インプラントは口臭の原因になる？

インプラントは人工物なので口臭の原因にならないのでは？と考える人もいるかもしれません。ですが、インプラントは生体に埋め込んでいるものなので、お手入れの仕方などによっては周囲に細菌が繁殖し、口臭の原因になることがあります。今回はどのような場合においてインプラントが口臭の原因になるのか、ということについて解説していきます。

インプラントが口臭の原因になるのはこんな時

■歯垢や歯石が溜まっている

もともと歯と歯茎の間というのは歯垢や歯石がたまりやすい場所です。インプラントの場合はさらに、人工歯根部分と被せ物の間に細かい段差が存在するため、そこにどうしても歯垢や歯石が溜まりやすくなります。また、歯茎の溝も構造上、天然歯に比べると深めなので、その部分に歯垢がたまりやすくなります。

■インプラントのネジが緩んでいる

インプラントと被せ物をつなぐ部分は緩みなく、しっかりと固定されますが、使っていくうちにだんだんと緩んでしまうことがあります。そうすると、緩んだ部分に細菌が繁殖してしまい、口臭の原因となることがあります。

■インプラント周囲炎が起こっている

インプラントも天然歯と同様、歯周病のような状態になることがあります。このような状況は、インプラントの場合には、「インプラント周囲炎」と呼びますが、進行するにつれて骨がだんだんと破壊されていき、歯周ポケットが深くなって細菌の住処になるほか、ひどくなると膿が排出されるようになるので、ひどい口臭の原因となります。

インプラントの口臭を防ぐための方法

インプラントは「天然歯の代わり」のように表現されることがありますが、実は天然歯と骨の結合よりもデリケートであるため、細菌感染に対して弱いという特徴を持っていることを知っておく必要があります。そのため、インプラントを入れたら、天然歯よりも入念にお手入れをする必要があります。もしそれができない場合、インプラントを早期に失うことになってしまう可能性があります。
口臭を起こさないための具体的な対処法としては、

・こまめなブラッシングを行う
・歯科で定期的なプロフェッショナルクリーニングを受ける
・骨に負担をかけすぎないよう、噛み合わせチェックも定期的に行う

といったことをしっかりと守って行う必要があります。
また、インプラントは天然歯の歯根とは違い、異変を感じ取るセンサーがありませんので、初期のさまざまな兆候を逃しやすいという弱点もあります。
そのため、インプラントのところから変なにおいや味がしてくる場合には異変のサインととらえ、早めに歯科を受診するようにしましょう。